【Python入門】変数とは?基本の使い方(宣言/参照/初期化)について徹底解説
Pythonに限らず、どの言語にしても「変数」を使用する場面は必ず存在します。
数学においても、関数(y=ax+b)におけるxやyを「変数」と呼びますが、プログラミングで用いる場合は少し意味合いが変わってきます。
この記事では「変数」の概要や、プログラミングで用いる際の基本的な使い方について解説します。
変数とは
プログラミングにおける「変数」は、数値や文字列といった値を保持しておくための「箱」のような役割を果たします。
名前のついた変数に値を入れて保持し、取り出す場合は対象となる変数を呼び出すことで利用が可能です。
変数によって記述内容を省略できたり、値の管理が容易になるといったメリットがあります。
基本の使い方
変数を使用する際の記述やルールは、プログラミング言語によってそれぞれ異なってきます。
ここから先は、Pythonで変数を用いる際の基本的な使い方について紹介します。
変数を新しく作成する場合(宣言)
変数を使うには、まず「どのような変数を使用するか」について宣言する必要があります。
Pythonでは、変数の宣言を「変数名 = 初期値」の形で行います。
num = 123 # numという変数を宣言し、数値(123)を保持
カンマ区切りで記述すれば、一度に複数の変数を宣言することも可能です。
num, word = 123, "テスト" # numに数値(123)を、wordに文字列(テスト)を保持
プログラミング言語によっては「初期値は決めず、変数名だけを宣言する」こともできるのですが、Pythonでは変数のみの宣言ができません。
変数を使いたい場合は、必ず初期値を決めてから宣言するようにしましょう。
変数の名前の付け方(命名規則)
Pythonのコーディング規約(PEP 8)では、 命名のルールとして英小文字とアンダーバー(_)のみの使用が推奨されています。(空白スペースは不可)
プログラム内での管理を楽にするためにも、簡潔かつ値の内容に沿った名前が望ましいです。
num = 123 # 「num」はnumberの略で、「数値」の意味を持つ
email_address = "XXXXX.mail.com" # 値に合った変数名が望ましい
apple = 3 * 3 * 3.14 # 変数名と値が合っていない例
また、Pythonには「予約語」と呼ばれる単語がいくつか存在します。
予約語となっているキーワードは、プログラム内で記述すると別の意味を持つため、変数名に設定することができません。
以下のコードを実行すると、現在使用しているPythonバージョンの予約語が確認できるので、同じ名前は避けるようにしましょう。(変数名の一部に使用は可能)
import keyword
print(keyword.kwlist)
予約語の一覧( Python3.10.1)
False | None | True | and | as |
assert | async | await | break | class |
continue | def | del | elif | else |
except | finally | for | from | global |
if | import | in | is | lambda |
nonlocal | not | or | pass | raise |
return | try | while | with | yield |
変数の中身を使用する場合(参照)
変数に保持された値を使用することを、プログラミング用語で「参照」といいます。
値を参照する場合は、対象となる変数名を記述するだけで利用が可能です。
また、変数内の値は一度参照しても無くならず、何度でも利用できます。
num = 123 # numという変数に数値(123)を保持
print(num) # numの中身を表示する
print(num + 100) # numに100足した結果を表示する
= 実行結果 =
123
223
変数の中身を上書きする場合(代入)
変数内の値を書き換えたい場合は、宣言した時と同様に 「変数名 = 初期値」 で更新することができます。
num = 123 # numという変数に数値(123)を保持
print(num) # numの中身を表示する
num = num + 100 # numの中身を、元の数値+100の結果に上書き
print(num) # 再びnumの中身を表示する
= 実行結果 =
123
223
この際、例えば「数値(例:123)」から「文字列(例:”テスト”)」といった形で、異なるデータ型への書き換えも可能です。
ただし、変数名と更新後の値の内容がずれてしまう場合があるため、不要となった変数の使い回しは原則避けた方がいいでしょう。
変数の中身を空にしたい場合(初期化)
先ほど「変数の宣言」でも述べた通り、Pythonで変数を作成・使用する際は何かしらの値が入っていなければなりません。
しかし、プログラミングをしていくなかで「変数の中身を削除(初期化)したい」といった場面も出てくるかと思います。
Pythonで変数の中身を空にしたい場合は、「変数名 = None」の形で初期化することができます。
num = 123 # numという変数に数値(123)を保持
print(num) # numの中身を表示する
num = None # numの中身を、Noneに上書き
print(num) # 再びnumの中身を表示する
= 実行結果 =
123
None
まとめ
この記事では、 「変数」の概要や基本的な使い方について解説しました。
プログラミングをするうえで変数は切っても切れない存在ですので、しっかりと基本を押さえておくようにしましょう。